ohi-sama’s blog

晴れときどきPerfume

時系列で種明かし

この記事は「あんどれい総研」さんへの返信という形式で書かれています。
WT3を見たがこれでPerfume大丈夫か?という疑問に対して、どの辺でボタンの掛け違えが起きたのかという私なりの回答です。
はじめに、あんどれいさんの記事とコメントをお読みいただくと、分かりやすいと思います。
 

1.WT1~未来のミュージアム/だいじょばない/ 2013.2.27 

andoreiさんへ。
種明かしをすると、まず2012年10月~11月、WT1で一緒に出てきたのがドラえもん
その後、2013年2月27日、「未来のミュージアム」が発売されます。この曲はダメという人もいますが、子供向け音楽として非常によく出来てます。
大変に実験的な音響表現をしており、子供の頃にピアノやパソコン、電子楽器で遊んでいたヤスタカが、その頃の気持ちに戻って「音で遊ぼう」というメッセージを伝えた子供たちへのプレゼントです。
カップリングの「だいじょばない」もダンスミュージックとして完璧。得意の言葉遊びもあり、やる気十分でした。

 

未来のミュージアム

未来のミュージアム

 

 

 

2.Magic of Love/Handy Man/2013.5.22

問題が始まったのが「Magic of Love」。発売日は2013年5月22日。カップリングは例の「Handy Man」。
24歳になったPerfumeがアイドルソングを歌うという、普通に考えても難しい企画でした。「何とかして お願い Handy Man」と中田楽曲の力で無理を通そうとしたのではないかと。spending all my time で築いた芸術性、批評性とは正反対に振り子が動いた訳です。
その一ヶ月後、6月26日にきゃりーの2枚目のアルバム「なんだこれくしょん」が発売されます。「ファッションモンスター」が目玉として収録された、彼女を代表するアルバムになります。
この頃から、ヤスタカはPerfumeきゃりーのどちらに重点置いているのか?という、変な勘ぐりがネット上に現れます。

3.Ultra Korea 2013/カンヌ国際広告祭/WT2/2013.6.14~7.7 

6月14日、UltraKorea 2013に参加。世界中のEDMミュージシャンが集まるダンスミュージックの祭典。
事前にヤスタカに相談し、「曲の間を空けずに繋げていけ」というアドバイスをもらっていたにも関わらず、PTAのコーナーを強行。案の定、客が引いていったとのこと。
当日のレポートはこちら。
 
6月20日、カンヌ国際広告祭真鍋大度プロジェクションマッピングが炸裂。高い評価を得ます。もちろんPTAなどやりません。舞踊家に徹します。


【HD】Perfume Performance Cannes Lions ...

 
その後、7月3日から7日までWT2。DVDを見る限りではPTAは不振。明らかに手を振っていない一角あり。

 4.LEVEL3/2013.10.2~それ以降の展開

10月2日、「LEVEL3」発売。
10月23日、CAPSULE「CAPSLOCK」発売。
きゃりーとは一転して、極めて内省的なアルバム2作をヤスタカは出します。
LEVEL3での新作は、
Clockwork、1mm、ふりかえるといるよ、PartyMaker、DreamLandの5曲。
踊れる曲はPartyMakerのみ。他の4曲は、内面との対話をテーマにした曲です。(Clockworkは内面というより、Perfumeの在り方の比喩ですね)

 

LEVEL3

LEVEL3

 

 

 

CAPS LOCK(初回限定盤)

CAPS LOCK(初回限定盤)

 

 

 
しかし、Perfumeサイドはこのアルバムに「世界を席巻しつづけるPerfumeが満を持して放つ、史上最強のダンスアルバムついに完成」という帯を入れて売り出します。
この時点で、楽曲制作者の意図を汲み取ろうとしない迷走が始まっています。

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ちなみに両者のナタリーでのインタビューの違いを読んでみてください。音楽だけ聴けば非常にテーマ性が似通ってるはずなのに、正反対の受け答えをしています。

Perfume「LEVEL3」インタビュー (1/3) - 音楽ナタリー Power Push

CAPSULE「CAPS LOCK」インタビュー (1/2) - 音楽ナタリー Power Push

 

──どうして今回のアルバムはこういう内容になったのか、中田さんから理由を聞いたりしてますか?

かしゆか アルバムを作るにあたってスタッフさんに、中田さん含めてのごはん会を開いていただいて、そのときに「ライブに向けてのアルバムを作ってもらいたいです」って話をしたんです。「ライブでこういうことができたらいいなと思ってるんですよ」とか、「中田さんだったら、Perfumeのライブでどんな曲を聴きたいですか?」とか。たぶんそこでの話から中田さんがイメージして曲を作ってくれたんだと思います。

あ~ちゃん

あ~ちゃん そのごはん会ではけっこう具体的なライブの演出についても話したんですよ。で、実際にそれができる曲が欲しいって。そのせいかすごく長くなっちゃった曲もあるんですけど(笑)、ライブでどういうふうにお見せできるか本当に楽しみです。

(中略)

──今回の収録曲の中で特に気に入ってるのはどの曲ですか?

かしゆか

かしゆか 私は「Clockwork」が好きです。頭の3曲が音数も多くてすごく勢いがあるんですけど、その明るくて華やかな雰囲気が4曲目でスッと消える。そういう、空気を変える役割をしているところがいいですね。もちろん曲自体もシンプルな音とメロディがすごく好きです。クセになるというか、頭に残る感じで。

あ~ちゃん 私は「Enter the Sphere」ですかね。「いったいいつから計画を練ってたんですか?」みたいなところが。だってこれ、もともとはグローバルサイト用の曲で、アジアツアーではオープニングでもやらせてもらったんですよ?

──この曲はある意味、Perfumeの海外進出のテーマソングみたいなところがありますよね。

あ~ちゃん そうそう。だからこれが1曲目に来るってことは「このアルバムは2年間の集大成です」って宣言してるようにも感じさせてくれます。それに新しく追加された歌の部分にも、なんだか深い意味がありそうで。「光の奥から歩いてくる」ものって、やっぱり希望とか明るいものしかないと思うんですよ。「目を凝らしたらきっと、みんなの身近にもそれがあるはず」っていう。ぎゅうっと吸い込まれるようなイメージの曲で、大好きです。

のっち うんうん、鳥肌だよね。私のお気に入りは「Dream Land」なんですけど、完成した音を聴いたときに「まさかこれが最後の曲になるなんて」ってビックリしましたね。真ん中らへんでちょっとしたブレイクタイムみたいな感じで使われるのかと思いきや。私はアルバムのエンディングテーマとして聴いてるんですけど、もうイントロが始まった瞬間「キター!」みたいな。感動しますね。

宣伝用の発言でもあるので、これだけでは即断できませんが、3人の音楽の好みが分かれています。あーちゃんは確かに素晴らしい逸材なのですが、音楽への深い理解という部分では、かしゆかに軍配が上がるような気がします。

 

次に、ヤスタカのインタビューです。

 

──unBORDE / ワーナーミュージック・ジャパンというワールドワイドなレーベルに移って世界展開の可能性も広がりましたが。

いや、僕自身は特別に海外のことを意識しているわけではないですね。というより僕は海外に住んだこともないですし、意識してもしょうがないかなと思っています。

──あ、そうなんですね。

それは日本国内もなんですけど、どこのために作ってるっていう感覚は希薄ですね。自分ではただいい曲を作りたいと思ってるだけで、ターゲットを決めて狙って何かをやるっていうことがそもそもあまりなくて。作って楽しかった、気持ちよかった、聴いてていい感じだなって思うところまでが自分の範疇というか。ただ「CAPSULEの音楽が世界中で受け入れられる」と思って動いてくれているスタッフには感謝してますけどね。

(中略)

──このアルバムはどんな作品にしようと考えて制作しましたか?

あの、初めて聴いて盛り上がれる音楽っていうのがあると思うんですけど、作り方として。つまり、その音楽を初めて聴く人に対して、あとどれぐらいでピークが来るかを予想させながら、ある地点に向かってカウントダウンしながら盛り上がっていく曲。今はそういう形の曲が世の中にすごく多いと思うんですけど。

──ここはサビ前の抑えめのパートで、このあとバン!って爆発する、といった展開を想像できる音楽ということですか?

中田ヤスタカ

そうですそうです。そういう曲はフェスとかDJでかけても実際すごく盛り上がるし、この数年はCAPSULEでそういうものをずっと作ってきてた。でも今はいいかなって(笑)。みんなで盛り上がるための、コミュニケーションツールみたいな音楽じゃなくて、それぞれが自由な環境で“聴く”ための音楽が世の中にもうちょっとあってもいいのかなと思って、そしたらこういうアルバムになりました。

ここが理解できていたかなんですね。もちろん、アイドルとして、またアミューズの稼ぎ頭としての役割がありますから、芸術肌のヤスタカのような発言は出来ないのかも知れませんが。

 
そのあと、12月7日、8日、LEVEL3大阪公演。
にも関わらず、その10日前の11月27日に全くライブとは関係ない「SweetRefrain」を発売。
なぜこの時期に?とファンからも疑問の声上がる。
カップリングは”前のめり〜”の「恋は前傾姿勢」。これもヤスタカの暗号か?

 

Sweet Refrain (初回限定盤)(DVD付)

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で、このあとはandoreiさん御立腹の「ClingCling」へと続く訳です。

 

Cling Cling (完全生産限定盤)(DVD付)

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そして、「ぐるんぐるん」ツアー最中の9月11日、全米デビュー決定なる発表がオフィシャルページでなされます。 

ここで、LEVEL3にアメリカ向けにボーナストラック2曲を追加することが伝えられます。spending all my timeのアレンジは中田ヤスタカの手を離れ、ベルギー人リミキサーDV&LMが担当することになります。

中田ヤスタカは、絶対に他人にアレンジ・リミックスをさせないことで有名な作曲家でした。そのための自宅スタジオでもありました。アパートを改造して機材を詰め込んだ狭い電話ボックスのようなスタジオで、中田ヤスタカPerfumeの作品は作られてきたのです。それが、Perfumeの歴史であり現場でした。

私はこの発表がされた2日後の9月13日、宮城セキスイハイムスーパーアリーナであーちゃんの肉声を聴きました。

「もし、日本のファンがこういうPerfumeの活動が嫌だというなら、自分たちは海外には行かない。」

 

海外には行かない ~ Perfumeと成長神話 - ohi-sama’s blog

 

 

 4.再び訴える~原点に戻れ

ですからね、あまりにもマーケティング優先。商売上の都合が最優先。音楽性、作品性、創作性は関係なし。

あーちゃんも、何が何でも客を取らなきゃと思ってるから、同調圧力のPTAを絶対無理なところでやってしまう。

ヤスタカにしても、金沢のご両親がライブの度に楽屋にきて、桐の箱に熨斗紙付けて菓子折り置いていくという間柄ですから、いくらファンが暴君だと揶揄しても、実は恩義を感じてるわけです。

で、楽曲制作が早いというのがデビュー当時の売りで仕事してきたから、気が乗らなくてもこなしてしまう。

それが何作か続くとこうなるわけです。


結局、原点に戻るしかないんですよ。電池食ってるヤスタカに預けられた田舎から出てきた中学生三人組に。
いかにもトップアイドル目指してるのが気にくわない。クリエイティブな仕事を理解してない。感情湧いてないくせに、込めた振りして歌うなと叱られてた頃に。
 
キミとずっとこのまま 過ごした時を止める
ポイントここに戻ろう どこまでもいける
軽やか風吹いて やさしく揺らすの
空まで届いて 永遠に続いていく
晴れない気持ちが 今日みたいにほんのちょっぴりで
スッキリとする
もしもが始まる ポイントで
奇跡が始まる ポイントで

 

ヤスタカはずっと言霊を発し続けてきたのです。
いままでの栄光にとらわれて、一時の損得で行動したら、本当にダメになります。