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晴れときどきPerfume

わかっていても難しい

なんで、パフュームの『くりんくりん』はダメで、 ベビメタの『メギツネ』はアリなのか - Perfume ホイ・ホイ ( あんどれい総研 )

andorei2014/11/24 00:22
ベビメタの三人が海外のびのびと楽しんでいるようなのに対して、

あ~ちゃんって、言葉通じない海外好きじゃないんでしょうね。

日本が好きだからずっといたいけど、中田さんの音楽を広めるため
とか
日本の音楽を海外に知ってもらうため
とか

妙な義務感背負わないと出ていけない。

そんで海外に行くのが決まると、
大和魂見せてくるけん」とか凄い大げさなこと言う。

いつの時代の人だ?40年前に海外旅行に行くときは空港まで家族が見送りに行ったもんですけど、あ~ちゃんってそういうノリだよね。

 

これは、私が「あーちゃんは言葉の人で、ファンが目の前にいないと何のためにやっているのかわからない」というコメントをしたことへのお答えなのですが。
おそらく、中学3年生で東京に出て、客が誰も振り向きもしない亀戸のショッピングセンターで修行させられていたころのトラウマがあーちゃんの行動を縛っているのでしょうと、自分なら答えます。

右も左もわからない思春期の女の子が、「あなたたちはスクールの第1期生なんだから」と背中を押されて田舎から出てくる。本人達にも気負いがある。でも、周囲は知らない人ばかりで、かしゆかものっちも人見知りが抜けなくて頼りにならない。

客が見ていようがいまいが、踊り続け、歌い続けなければならない。無言の視線の恐怖。経験したことのない重圧がひとりに一気に掛かるわけです。*1

 

で、肝心の芸の方ですが、出たシングルは「スウイートドーナッツ」「モノクロームエフェクト」「ビタミンドロップ」中田ヤスタカ初期のテクノ歌謡路線です。


Perfume - スウィートドーナッツ . (PV) - YouTube

なんつーか、水着でお料理教室的なお手軽イロモノ路線。


中田に言わせると、本当はいま流通しているアイドルに興味はなくて、もっと実験的なことを彼女たちにやらせてみたいんだけど、アイドル的なものにしていかないと上からゴーサインが出ない。そういう時代の作品です。
で、結果は、こんな風に東京の女の子に笑われておしまい。


道夏大陸 Perfume 編 1/2 〜20分でわかるPerfume - YouTube

(5:02からですね)


Perfumeを聴くと癒されるという方がたくさんいるので自分も考えるのですが、音楽・振り付けを超えたところで、思春期に負ったトラウマをどう乗り越えるのかという課題とドラマ性がまず設定されている。あーちゃんも、事あるごとに苦労話を繰り返す。商売的なフックでもありますが、それ以上に、言語化しないと無意識の恐怖に押しつぶされそうになるからでしょう。

それが実話で、しかも現在進行中であるということが、魅力の原点であり、終末への入口でもあるわけです。共感覚の物語ですから、ファンの感覚が、Perfume=自分の分身になっている。

 

前回、エレクトロワールドで「どうしてあーちゃんは表情のコントロールが出来なくてニコニコ笑ってばかりいるんだ?」的なことを書きました。

少年少女であるということ - ohi-sama’s blog

自分の記事で、技術的な部分の指摘は間違っていないと思うのですが、メンタルな部分も相当大きいのだろうと。コントロール不可能な爆弾を抱えていて、海外公演以外でも、同じ問題は顔を見せてくるでしょう。まさに、「ふりかえるといるよ」です。

無視される恐怖に耐えられない。逆にみんなが応えてくれると、うれし涙でぐちゃぐちゃになる。そこに惹かれるファンもいる。共感覚だからお仲間だとわかっちゃうんでしょうね。

Perfumeの3人を、相撲の「心・技・体」にそれぞれ置き換えて論じていた方がいらっしゃいましたが、核心はやはりそこなんだと再確認した次第です。

Perfume「心技体」論: 【ゴンザの園】

 

まあ、自分の至らぬ考えでは、落ちも捻りもないありきたりな結論しか出せないのですが。

このあいだの記事で頂いたコメントで「もし、あーちゃんの演技力不足が表面化したとき、メンバーの交代は有りか?」というものがありました。

自分は「それが原因で解散するくらいなら、広島に帰ってキャバレーでもつくって3人で踊ってろ」と答えたのですが、そのように考えた根拠も、無意識の部分ではそこだと思うのです。頭ではわかっていても、Perfume=自分になってしまえば、その通りには身体は動かない。解散=死は耐えられない。

自己と他者との区別はなくなり、客観的な感覚は麻痺してくる。だからファンも、芸ではなくて、ドキュメンタリーの方に付いていく。

 

それゆえ、これからも千尋の谷に突き落とすような無理な企画を立ち上げ、あーちゃんも言霊なるものを信じて自分の身体に鞭をうって進むのでしょう。トラウマの克服がテーマになってしまっているのですから。

かしゆかあたりは、とっくにこの路線ではいけないと気付いていると思うのですが、心技体が揃わないと形にならず、そこは難しいところですね。

 

 

 (補足)

*1:ここはエヴァンゲリオンのテレビ版第1話と構造が似てますね。知らない土地に行って、他者と出会う。恐怖と不理解と承認の欲求に向き合わねばならなくなる。「おっきい箱の中 背の高い生物がたくさん」。ハイ、そのまんまです。